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住まいの学び場サムネ

不動産業界の闇〜月内契約とは何か〜

2022.11.03

お客様が購入したい物件が見つかったら「買付証明書」という書類に希望の価格やお引き渡しの時期を記入し、不動産会社の担当者さん経由で、売主さんに提出することになります。

このことを一般的に不動産業界では「お申し込み」といいます。

無事に購入できるかどうか、条件がまとまるかどうか、不動産会社としても緊張する瞬間です。

買付証明書をPDFにスキャンして、売主さん側の不動産会社にメールやFAX(不動産業界はいまだにFAXでのやり取りが主流です…)で送ります。

その後、売主さん側の不動産会社の担当者と電話等で条件の擦り合わせを行うのですが、その時に担当者さんから「月内契約は可能ですか?」とよく聞かれます。

月内契約とは?

文字通り、その月の月末までに売買契約が締結できるかどうか?ということを意味しています。

だいたい月末ごろにお申し込みをすると言われることが多いです。

なぜ月内契約がしたいのか?

多くの不動産会社では支店や営業マンごとに毎月の売り上げや契約数のノルマが課されています。

要するに、今月のノルマが達成できないので、今月中に契約させてほしいということですね。

会社を経営していく上では、従業員がなんとしてでもノルマを達成したいという姿勢で仕事に臨むことはとても大切なことだと思います。

しかしながら、残念なことにお客様に負担を強いてまで、月内契約を強制してくる不動産会社の担当者も驚くほどに多いのです。

悪質なケース

◎ケース① 月内契約じゃないと売りません

お申し込みをした際に、先方の担当者さんから「月内契約ができなければ売りません」と言われることがあります。

もし月内に契約ができないのであれば、来月中に両手取引ができるお客様を自社で探してくるから、他社のお客様には売りませんということです。

これは売主さんのご意向でも何でもなく、その会社都合で言っているのです。
売主さんの大切な財産の売却をお手伝いする人間として、何の権限があってそのようなことを言っているのか、本当に理解に苦しみます。

両手取引については以下のページで詳しく解説しています。

不動産業界の闇〜囲い込みとは何か〜

売主さんにとっては大きな売却機会の損失になるのですが、こういうことを平気で行っている不動産会社は大きな会社も含めてとても多いです。

◎ケース② お客様が月内の契約が良いと言っています

これは検証したわけではないので完全に嘘かどうかはわかりませんが、普通は一般のお客様が月内に契約したい理由なんてありませんよね?

もちろん早く契約を確定させてしまいたいと思っている売主さんはいらっしゃるとは思いますが、契約日が今月か来月かは売主様にとっては重要では無いはずです。

他社に不信感を抱かさないように、売主さんが希望していると言い訳をしているだけかと思いますが、このケースも意外と多いです。

◎ケース③ 平日の夜間に無理やり売買契約

とはいえ、私たちもせっかく買主さんが気に入ってくださった物件ですので、売主さん側の不動産会社に嫌われてしまって、購入できなくなった…となると買主さんに迷惑がかかってしまいます。

本意ではありませんが、先方の意向に従わなければならないのも事実なのです。

買主さんには包み隠さず事情をお伝えするのですが、月末が木曜日や金曜日の場合は次の土日まで待てないので、平日の夜、仕事終わりの20時や21時から無理やり契約を行うこともあります。

売主さんに対しては「買主さんが今週末がNGで、平日を希望されていて…」などと適当な理由を言っているのだと思います。

売主さん側の不動産会社のノルマのためだけに、売主さんや買主さんが負担を強いられているのです

契約に同席する私たちも、ニコニコと売主さんに接している担当者を横目に、非常に虚しい気持ちになります。

まとめ

残念なことに、まだまだ不動産業界にはこのような不誠実な行為を行う業者が山のように存在します。

売主さんも依頼している不動産会社がこのような行為を行っていることに気付くことは非常に難しいのですが、こういう会社もあるんだということを知っているだけでも防げる可能性はあると思います。

特に月末ごろに無理に契約日を設定しようとする担当者がいれば、ちょっと疑ってみても良いかもしれません。

ちなみにサムタイムズではスタッフの毎月のノルマはありませんので、契約が月内であろうと翌月であろうと関係はありません。

お客様に気持ちよくお住まいをご購入いただけるように、スタッフ全員で一人ひとりのお客様のサポートをさせていただいております。

このような不誠実な不動産会社や担当者が減っていき、売主さんから買主さんへと、住まいがスムーズに受け渡されていく世の中が実現することを願っています。