今回は住まいの購入を検討する時に多くの方が悩まれる、戸建が良いのか?マンションが良いのか?について、それぞれのメリット・デメリットを交えて考えていこうと思います。
目次
住まいの選択肢はたくさん
まず、住まいの選択肢について。
住まいを購入するにしても、住まいにはさまざまな選択肢があります。
ざっくり分けると、主に以下の7通りの選択肢があります。
・ 新築マンション
・ 新築分譲戸建(完成した状態で売られている戸建)
・ 新築注文住宅(オーダーメイドの戸建)
・ 中古マンションにそのまま住む
・ 中古マンション+リノベーション
・ 中古戸建にそのまま住む
・ 中古戸建+リノベーション
分類すると【マンション/戸建】【新築/中古】【リノベーションをする/しない】で分けることができます。
どの選択肢を選ぶのが正解?
住まいの選択肢はたくさんありますが、まずはそれぞれの選択肢の特徴を理解したうえで、思い描いている自分の実現したい暮らしのイメージと、どんな住まいの形態が一番相性が良さそうか、考えてみると良いでしょう。
ここからは、それぞれの選択肢の特徴について考えていきたいと思います。
■ マンションの特徴
マンションは戸建に比べると駅近物件など、立地の良い物件が多いのが魅力です。最寄駅から徒歩5分以内などの条件だと、該当してくるのはほとんどマンションになってくるかと思います。
また、上層階ならではの眺望が得られたり、建物の管理をマンションの管理会社や管理組合に担っていただけるのも大きな特徴です。
地震や水害、空き巣などのリスクも戸建に比べると低くなります。
メゾネットの物件でなければ、お部屋の中に階段などが無いので、老後も安心して暮らすことができますし、マンションは基本的にワンフロアなので、階段などが無い分、戸建に比べると体感面積が広く感じやすいといった魅力もあります。
一方で、集合住宅という特性上、上下左右の住戸と隣接していることによる騒音のトラブルが起きやすかったり、数年に一度、管理組合の理事のお仕事(会議への参加や行事への協力)を担当しなければならないといった特徴があります。
■ 戸建の特徴
戸建の最大の特徴はなんといっても「マイホーム感」にあると思います。
マンションよりも明確に自分の土地・建物であることを認識することができますので、憧れのマイホームを手に入れた感覚はマンションよりも強いと思います。
物件によってはお庭のスペースが設けられていたり、(無料の)駐車スペースが確保できるのも魅力的です。玄関を出て、すぐに車に乗れるのはとても便利です。
お庭ではガーデニングを楽しんだり、場合によっては家庭菜園を作ることだってできます。私もガーデニングが好きですが、マンションだと植木鉢やポットにしか植えられません。戸建だと土にそのまま植えられるのも楽しいですよね!
私が以前住んでいたタワーマンションは、地下に巨大なタワーパーキングがあったのですが、家の玄関を出てから車に乗るまでに10分以上かかることもありました・・・。一方で、外置きではないので、車に花粉や黄砂などが付着しづらいといったメリットはありました。
また、大型犬を飼っている方や、将来飼いたいという方の場合、マンションだと大型犬が飼育可能な物件は驚くほどに少ないですが、戸建てであれば自由に飼うことができます。
一方で、建物やお庭(夏の草むしりなどは意外と大変です・・・)のメンテナンスは全部自分で実施していく必要があります。
これが戸建物件の最大のリスクといえます。適切なメンテナンスを怠ると、建物がみるみるうちに劣化していってしまいます。(毎月強制的に管理費や修繕積立金が徴収されないのは魅力ともいえますが・・・)
台風や地震、火災の際の被災リスクは、鉄筋コンクリートで建てられたマンションよりも高くなってしまうこともデメリットとなります。
また、2階建や3階建の物件の場合、将来足腰が悪くなった時に階段の上り下りが難しくなってしまうリスクもあります。
一般的に、上下左右などが他の住戸に囲まれているマンションよりも断熱性能が低いことも戸建物件の特徴です。しっかりと断熱されていないと、真夏は蒸し風呂のように暑かったり、真冬は凍えるほど寒かったりするので、断熱性能はしっかりと確認する必要があります。
特に築年数の古い物件は壁や天井などの断熱処理がしっかりとされていない可能性もあるので、想定以上にリノベーション費用がかかってしまうリスクもあります。
また、マンションの上層階に比べると、蚊や蜘蛛、●キブリなどの虫が室内に侵入してくる可能性も高くなってしまいます。
虫が苦手な方は多いと思いますので、この点も把握しておくと良いでしょう。
私が以前住んでいたタワーマンションは24階でしたが、部屋の窓には元々網戸が設置されておらず、窓を開けて生活していても、蚊などはほとんど入ってこなかったです。
なぜか時々ベランダにセミがいたり、てんとう虫が飛んできたことはありました。ちなみに●キブリは11年間で1度も見ませんでした。
資産価値はどちらが高い?
よく不動産の専門家が、戸建の方がマンションよりも土地の持分が大きいので資産価値が高いとか、マンションの方が売りやすいからマンションの方が資産価値が維持しやすいなどといったコメントをしているのを目にしますが、私はあまり賛同しません。
というのも、住まいを購入するということは土地・建物を購入するということではなく、”そこに暮らす権利” を購入するということであると考えるからです。そこに暮らす権利はマンションだから高いとか、戸建だから安いということはありません。
建物の立地・周辺環境・管理状態・内装や外装の状態やデザイン・間取りの形等の条件によって資産価値の維持のしやすさは変わってきますので、資産価値の維持のしやすさという観点においては、戸建・マンションの差異は無いのかなと、私は思っています。
資産価値が守れるかどうかは誰もが気にされるポイントで、不動産会社である私もしっかりと資産価値が維持しやすい物件をオススメさせていただくのですが、資産価値よりも、この先自分や自分の家族が楽しく幸せに暮らせるかどうか?の方が重要だったりします。
資産価値ばかりを気にして、自分達が楽しく幸せに暮らせない家を買ってしまっては、住まいを購入する意味がありません!
実際、私は一般的に資産価値が維持しにくいといわれている条件にたくさん当てはまる中古マンションを購入しましたが、自分の好みのデザインにリノベーションしたお部屋で、毎日幸せな日々を過ごしています。
まとめ
マンションも戸建もそれぞれメリット・デメリットがありますので、どちらが絶対に正解とは言い切ることができません。それぞれの実現したいライフスタイルや価値観によって正解は異なります。
一般的にマンションの方が向いているのは以下のような方といえます。
・とにかく駅近の家に住みたい
・建物の管理やメンテナンスをまるっとおまかせしてしまいたい
・階段がないワンフロアで暮らしたい
・眺望や日当たりを重視したい
・虫が大嫌い
一方で、戸建の方が向いているのは以下のような方といえます。
・実家が戸建だった方など、戸建に愛着やこだわりがある
・足音などの騒音を気にせずに暮らしたい
・マイカーを持っている・持ちたい
・ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい
・自分でコツコツメンテナンスしていくのに苦を感じない
・大型犬や特殊な動物を飼っている・飼いたい
戸建かマンションで悩まれている方は、実際に物件を内見してみることで価値観が変わったりしますので、戸建・マンションに関わらず、興味のある物件をいくつか内見してみましょう。