今回は物件のお引き渡し当日の流れについて説明します。
ちなみに物件のお引き渡しのことを「決済(けっさい)」ともいいます。
売主さんに物件代金を支払い(=決済)、物件の所有権や鍵を買主さんに引き渡す(=引き渡し)ことを、不動産業界では「決済」や「引き渡し」と呼びます。
住宅ローンの本審査が無事に承認されたら、不動産会社の担当者を介して売主さんとお引き渡しの日時や実施場所を調整することになります。
目次
引き渡しはいつまでに行うの?
お引き渡しは売買契約書に記載されている「引渡日」までに行いますので、必ずしも記載されている日付のその日に実施する必要はありません。
売買契約の時に預けた手付金分を除いた物件代金(=残代金といいます)を、売主さんに支払う日が物件の引き渡し日となります。
引き渡しは平日に行う
お引き渡しは通常、買主さんが住宅ローンを組む金融機関の支店の会議室や打ち合わせスペースを借りて行います。
ネット銀行のように、実店舗を持たない金融機関でローンを組む場合は、不動産会社のオフィスにて実施することが多いです。
引き渡し日には売主さんや司法書士さん等との金銭のやり取りがありますので、原則、金融機関が営業をしている「平日」に行う必要があります。
また、お引き渡しの当日に、司法書士さんが「所有権」を売主さんから買主さんに移転させる登記の手続きを行う必要があるため、お引き渡しは午前9時や10時からなど、午前中に実施することが多いです。
◤注意POINT◢
銀行の混み具合にもよりますが、お引き渡しの手続きには通常、1〜2時間程度かかります。
月末や給料日など、銀行が混雑している場合は2時間以上かかってしまうこともありますので、スケジュールは余裕をもって設定しましょう。
◤注意POINT◢
契約時と同様、夫婦の共同名義で物件を購入する場合は、基本的にご夫婦ともに出席する必要があります。
どちらかが出席できないという場合は、事前に不動産会社や金融機関の担当者に相談するようにしましょう。
お引き渡し当日は何をするの?
お引き渡し当日は金融機関の会議室に、買主さん、売主さん、不動産会社の担当者、銀行の担当者、司法書士さんが一堂に集まります。
それぞれが持参した必要書類を司法書士さんに提出し、書類の確認が一通り完了したら、司法書士さんより金融機関の担当者に「融資を実行してください」と指示をしていただき、実際に買主さんの銀行口座に、銀行から数千万円の融資金が振り込まれます。
振り込まれた融資金からは、売主さんに対して手付金を除いた売買代金の残代金や固定資産税・都市計画税、マンションの場合は管理費・修繕積立金の日割り清算金等を支払い、司法書士さんには登記費用、不動産会社には仲介手数料を支払うことになります。
通常の銀行での振込などの手続きと同様、金融機関の振込用紙や現金引き出し用紙に記入して、手続きを行います。
金融機関によってはスマホのアプリなどを使って振り込み手続きを行なったり、事前に振込先と振込金額を登録しておいて、当日は自動的にそれぞれの口座に指定の金額が振り込まれるという金融機関もあります。
売主さんの口座に無事に代金が振り込まれたことが確認できたら、玄関の鍵や宅配ボックスのカードキーなどの受け渡しをおこないます。
分譲時のパンフレットや、設備機器の取扱説明書など、売主さんが保管されていた書類などもこの場で受け渡すことが多いです。
◤注意POINT◢
郵便受けの開錠番号は聞き忘れがちなので、忘れずに確認しましょう。
鍵の受け渡しが完了したら、無事に引き渡しが完了したことを証明する「引渡完了証」等の書類に署名・捺印をし、引き渡し・決済手続きは完了となります。
いよいよ自分の持ち物に
手続きの後、司法書士さんが登記所に行って、抵当権の抹消(売主さん側に住宅ローンなどの抵当権が付いていれば)と、所有権の移転登記の手続きを行い、正式に物件の所有権が買主さんに移ることになります。
この日から物件は買主さんの所有物になりますので、いつでも自由に鍵を開けてお部屋をご覧いただくことが可能になります。
リノベーションをされる方は、工事前の空っぽの状態を見れる最後のチャンスですので、工事がはじまる前に一度、お部屋を確認しましょう。
◤注意POINT◢
このとき、室内に不具合の箇所がないかどうかも合わせてチェックすると良いでしょう。
もし事前に把握していなかった不具合が見つかった場合は、すぐに売主さんにお伝えし、補修をしていただけるかの協議が必要となります。
まとめ
以上がお引き渡し完了までの流れになります。
とても複雑に感じられるかもしれませんが、不動産会社や金融機関の担当者さんが隣で手続きをサポートしますので、ご安心ください。