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どんな懸念点があったのでしょうか?
不動産会社の友人から紹介された中古のペアシティに目を奪われましたが、よくよく調べてみると、懸念点もたくさんあるマンションでした。
具体的には以下のような懸念点がありました。
・最寄駅から徒歩18分
・ 1987年築(築35年)の築古
・ 床はフローリングではなくカーペット
・ オール電化で給湯は電気温水器
・ ユニットバスではなく在来工法のお風呂
・ 2階で向かいのマンションとお見合い
ペアシティは私の憧れのマンションでもありましたが、いざ購入を検討しはじめると、さまざまなことが気になってくるものです。
普段からお客様の上質な中古物件探しをサポートしている立場として、自分が失敗するわけにはいきません!
しっかりと懸念点を洗い出し、それぞれの懸念点を一つ一つクリアしていく必要がありました。
今回はそれぞれの懸念点について、細かく解説していきたいと思います。
◎ 最寄駅から徒歩18分
一般的にマンションの場合、最寄駅から徒歩10分を超える物件は資産価値が維持しづらくなるリスクがあるといわれています。
戸建物件であれば駅から徒歩20分以上の物件も多いですが、マンションで駅から徒歩18分は相当距離がありますので、通勤・通学の利便性や将来の資産性に心配がありました。
◎ 1987年築(築35年)の築古
いわゆる「新耐震基準」と「旧耐震基準」の分かれ目は1981年6月になります。
今回のペアシティは1987年築で、新耐震基準以降に建てられたマンションではありますので、地震に対する強度に対してはあまり懸念は無かったのですが、築後35年が経過しているため、メンテナンスの履歴や修繕積立金の積立状況、過去に配管等の大きな不具合が無かったか等の確認が必要でした。
築年数の古いマンションの場合、配管がコンクリートの床(スラブ)の中や下の階の天井裏を通っているものも多く、物理的に交換することができない場合もあるので要注意です。
そのようなマンションは基本的にはオススメすることができません。
◎ 床はフローリングではなくカーペット
築30年以上のマンションとなると、床は今のようにフローリングが標準ではなく、カーペット敷きというマンションも多くありました。
グレードの高い高級マンションほど、カーペット敷きの物件は多くなってきます。
当時から管理規約(※マンションのルールブックのようなもの)の内容が変わっていないと、いまだにフローリングへの張り替え禁止というルールになっているマンションもあります。
今回のペアシティはカーペット敷きのお部屋でしたが、マンションの管理会社に確認したところ、2年ほど前に管理組合の話し合いで「時代に合わせてフローリングOKにルールを改訂しましょう」と規約変更の決議がなされていました。
少し余談ですが、管理組合の ”時代に合わせていく” という姿勢はとても素晴らしいと思いました。古いルールに縛られ過ぎていて、所有者さんたちの居住性や資産性を損なってしまっているマンションも多く存在します。
弊社のお客様でも、「フローリングNGのマンションは嫌」という方はとても多いです。「ダニが湧く」「掃除がしづらい」など、あまり良い印象を持っていないのかもしれませんね・・・
特に小さな子供がいると、食べ物や飲み物をこぼしたりするリスクがあるので、カーペットを敬遠される気持ちはとてもよく分かります。
カーペットの物件は一般的に敬遠される方がとても多いので、今回のペアシティのように中古物件の価格もフローリングの物件に比べるとかなり安く設定されていることが多いです。
◎ オール電化で給湯は電気温水器
今回のペアシティにはガスが通っておらず、オール電化のマンションでした。
ガスが通っているマンションだと玄関前やバルコニーに設置されている個別の給湯器でお湯を沸かすのですが、今回の物件は電気温水器という、大きなお湯を作るタンクが居室内にあり、電気を使ってお湯を作り、キッチンや洗面所、お風呂の蛇口にお湯を供給するタイプのものでした。
築年数が古いマンションでは時々、電気温水器のマンションがあるのですが、大きなタンクが居室の中にあるため、その分の面積が取られてしまったり、お風呂の追い焚き機能が付けられない場合が多かったりと、デメリットがあります。
タンクの中にお湯が入っているので、災害などで停電が発生した時もある程度お湯が使えたり、電気代が安い夜間にお湯を作るので、光熱費が安く済むといったメリットもありますが、一般的には嫌がられることの方が多いです。
弊社のお客様も、電気温水器のマンションをご案内すると、実際に温水器を見た時にギョッ!と驚かれる方が多いです。
ちなみにマンションの場合は電気温水器から個別のガス給湯器などに変更することはできない可能性が高いです。
◎ ユニットバスではなく在来工法のお風呂
お風呂はユニットバスではなく在来工法という工法で作られたお風呂でした。
在来工法のお風呂とは、床や壁がコンクリートやタイルで作られているお風呂のことです。
メリットとしては、スペースに合わせて自由に大きさを設定できることや、高級感のあるオリジナルデザインのお風呂が作れる点がありますが、ユニットバスに比べると冬場は寒かったり、下階への漏水のリスクも高くなってしまいます。
管理規約上はユニットバスへの変更が禁止されているマンションは少ないですが、在来工法のお風呂をユニットバスに交換するとなると、コンクリートを壊す大がかりな工事が必要になり、非常に大きな騒音や振動が発生するため、近隣にも大きな迷惑がかかってしまうことになります。
◎ 2階で向かいのマンションとお見合い
今回、私が購入したマンションは2階のお部屋です。
リビングは南側と東側に採光が取れる窓があり、日当たりはとても良いのですが、南側も東側も別のマンションが建っており、決して眺望が良いとは言えませんでした。さらに向かいのマンションの共用廊下側ではなくバルコニー側がこちら側を向いているので、やや目線が気になってしまう状況にありました。
さて、これらの懸念点をどう解消し、購入の決断に至ったのでしょうか・・・
その4につづく・・・。