住まい探しをするときに、ほとんどの方にとって優先順位の1番や2番に入るのが「最寄駅からの距離」です。
毎日の通勤や通学の利便性にも大きく影響してくるので、物件選びの際には必ず、実際に歩いてかかる分数や、物件から駅までの “道のり” をしっかりと確認する必要があります。
目次
最寄駅からの距離の定義
最寄り駅からの分数は、不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約」という法律によって、徒歩1分=80mと基準が定められています。
80mで1分というのは、ハイヒールを履いた女性が歩くスピードをもとに定められたそうです。
例えば最寄駅から物件までの道路距離(直線距離ではありません)が420mの場合は420m÷80m=5.25となり、繰り上げて6分という表示となります。
正しく表示されていないケースも多い
明確なルールが定められているにもかかわらず、不動産会社によっては物件の検索に引っ掛かりやすくするため、所要分数を故意に短めに表示してしまう会社も、残念なことにまだまだたくさん存在します…。
SUUMO等の不動産ポータルサイトなどでは「駅から10分以内」という条件で物件を検索する方が圧倒的に多くなるので、実際には最寄駅から12〜13分ほどかかるような物件でも10分と表記してしまうようなケースが多いです。
気に入った物件が見つかったときには、内見を申し込む前に【Googleマップ】などを使って、最寄り駅から物件までのルートを検索すると、かなり正確な距離と所要時間が確認できますので、確認してから問い合わせるようにしましょう。
敷地の大きなマンションは要注意
この最寄駅からの所要時間ですが、「「お部屋の玄関」から「電車に乗るまで」にかかる時間」ではありません。
正確には「「最寄駅から一番近いマンションの敷地」から「物件に一番近い駅の出口」」までの所要時間を表しています。
つまり、大きな敷地にA棟、B棟・・・などと複数の棟が建っているようなマンションだと、実際には表記されている分数以上に時間がかかることもあります。
また、東京メトロや都営地下鉄など地下鉄の駅の場合は、駅の出入口から電車に乗るまでにすごく時間がかかるような場合もありますので、実際に玄関から電車に乗るまでにかかる時間は、実際に歩いて確かめるようにしましょう。
大きなタワーマンションなどでも、マンションのメインエントランスから長い廊下を歩いて、エレベーターが来るのを待って、所在フロアまでエレベーターで数十秒かかるような物件だと、家の玄関にたどり着くまでにはかなりの時間を要する場合もあります。
実際に私も以前、1000世帯ほどが入居する大きなタワーマンションに住んでいましたが、特に朝の時間帯などはエレベーターがすごく混むので、利用していた駅までは不動産情報の表記は10分になっているものの、実際に電車に乗る20分くらい前には家を出る必要がありました。
徒歩分数だけでなく、ルートの“質”も重要
駅からの徒歩分数はもちろん重要なポイントですが、実際に歩く駅からの「ルートの質」も、とても重要です。
◎ 道の歩きやすさ
歩道がきちんと整備されている真っ直ぐな道路と、歩道がとても狭くてクネクネ曲がらないといけない道路とでは、たとえ同じ徒歩分数であっても、日々のストレスの感じ方に大きな違いが出てきます。
また、道がフラットなルートと、坂道が多いルートでも疲労感は大きく変わってきます。
私は最寄駅まで徒歩18分ほどかかる、かなり駅から遠いマンションに住んでいますが、駅からの道はフラットで真っ直ぐなので、自転車だと5分程度で駅に到着することができるので、あまりストレスを感じません。
駅からのルートの質が良い物件であれば、少し駅から遠くてもあまり苦にはならないかもしれませんね。
◎ 階段・踏切・歩道橋
駅からの道に、どうしても階段、踏切、歩道橋を通らなければならないような物件もあります。
特に踏切は、時間帯によっては全く開かない「開かずの踏切」があるようなこともあるので、しっかりと確認するようにしましょう。
これらもGoogleマップやストリートビューなどで確認することができます。
◎ 車の交通量
車がほとんど通らない静かな道と、車やトラックがすぐ横をビュンビュンと通る道でも、ストレスの感じ方は大きくかわってきます。
交通量の多い道だと、小さなお子さんがいる場合は少し危険を感じるかもしれません。
車の交通量はGoogleマップなどでは確認することができないので、実際に現地で確認するようにしましょう。
◎ 夜道の安全性
日中はとても人通りが多い道でも、夜は人通りが極端に減ったり、街灯が少なくてすごく暗いような道もあります。
小さなお子さんがいるご家族やお一人暮らしの女性の場合は、物件の契約前に夜道の環境を確認できると安心です。
まとめ
物件の内見の時にはお部屋のことばかりをチェックしてしまいがちですが、最寄駅からの所要分数や、ルートの質も忘れずにチェックするようにしましょう。
物件の内見に車で来られる方もいらっしゃいますが、日常的に電車を利用される場合は、駅までの道は実際に自分の足で歩いて確認しましょう。