リノベーションをするとき、壁の材料にもさまざまな種類があります。
新築マンションや賃貸マンションでは、一般的に「ビニールクロス」という、ポリ塩化ビニール樹脂から作られた素材が使用されています。いわゆる一般的な壁紙です。
ロール状になっているクロスを職人さんがカットし、接着剤を使って壁に貼っていきます。
均一に仕上がるので施工クレームになりづらく、作業効率も良いので、好まれて使われています。
少し前に社会問題になった「シックハウス症候群」も、この壁紙を貼る時に使用する接着剤に含まれるホルムアルデヒドという有害物質が影響しているといわれています。(近頃はホルムアルデヒドを含まない接着剤も開発されています)
ビニールクロス以外だと、ビニールではない “紙の素材” で作られた壁紙や、ペンキ・珪藻土・漆喰などの塗り壁があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
目次
それぞれの素材の特徴
◎ ペンキ
ペンキの魅力は様々なカラーバリエーションからじぶん好みの色を選べたり、自由に塗り替えたりすることができる点にあります。
ペンキを塗る作業は素人でもある程度綺麗にできるので、家族みんなで楽しみながらDIYで塗り替えるということもできます。
ペンキはさまざまなメーカーが作っていますが、人体に悪影響のあるものもありますので、特に室内に塗る場合には、人体に悪く無いものを選ぶようにしましょう。
「珪藻土」や「漆喰」もオススメの素材です。
左官職人さんが時間をかけて施工するので、壁紙に比べるとかなりコストは高くなりますが、なんとも言えない独特な質感や、機能性が魅力です。
いずれも天然の素材でつくられたものですが、それぞれ特徴は異なります。
◎ 珪藻土(けいそうど)
珪藻土は植物性プランクトンの化石が原料となっています。
湿気を吸ったり吐いたりする「調湿機能」を持っていますので、湿度が高い夏は湿気を吸収してくれ、湿度が低い冬は湿気を吐き出してくれる優れものです。
また、家の中の臭いを吸収する機能ももっています。
珪藻土を塗った壁は少しザラザラとしていてマットな印象です。
◎ 漆喰(しっくい)
漆喰の歴史は長く、昔から日本では住宅の壁やお城の外壁に使われていました。
漆喰の主な原料は消石灰です。
消石灰はアルカリ性なので、カビの発生を抑える機能を持っています。
また、珪藻土と同様に「調湿機能」を持っています。
珪藻土や漆喰を壁に塗る際に、素材を固めるための “つなぎ” として接着剤を混ぜ込みます。
なかには化学的な有害物質を含んだ接着剤が使用されていることもあるので、注意が必要です。
珪藻土や漆喰を使う場合には、有害な物質が含まれていないかどうか、リフォーム会社に確認するようにしましょう。
まとめ
珪藻土や漆喰は、通常のビニールクロスのような壁紙とは異なり、同じ白色でも太陽や照明の光をふわっと優しく拡散してくれたり、塗り方によって素敵な表情がつくれるので、空間全体の雰囲気も大きく変わってきます。
壁をペイントや珪藻土、漆喰で塗るのもリノベーションの醍醐味。
是非検討してみてください。