新築マンションの質感や間取りが好みに合わなかったので、最初から中古マンション＋リノベと決めて物件探しをしました。重視したのは駅近などの立地と、窓の位置や大きさ。間取りや設備はリノベで変更できるけれど、日当たりや眺めは変えられないと思ったからです。

このマンションは築古でしたが、窓からの眺望に一目惚れ。すぐ下に街と公園の緑が広がり、晴れた日は遠くに富士山も望めます。マンションには珍しく、フロアが3層に分かれたメゾネットなのも面白いなと思いました。住んでみるとフラットなマンションとは違う、変化に富んだ空間同士のつながりを楽しめます。階段の上り下りはちょっと大変ですけど(笑)。

サムタイムズに紹介していただいたエキップさんは、私たちの要望を何でも飲み込んでくれたという印象。自分たちでリノベ会社を探していたときは、なかなかピンとくる会社に出会えなかったのに、最初からすんなり話が通じました。素材使いやシンプルなデザインも好み。オーダー時はインテリア雑誌の切り抜きをまとめたブックを作ってイメージを伝えました。

ファッションもインテリアもヴィンテージが好きなので、リノベで目指したのもヨーロッパのアパルトマンのような空間でした。古い雑貨が引き立つように、内装はできるだけシンプルに、壁は白、床はダークブラウンにして、それ以上の要素は入れないように。洗面室だけはモザイクタイルなどを使って、昔のヨーロッパの薬局みたいな雰囲気に仕上げました。

雑貨はアンティークショップで探したり、古着屋さんの閉店セールで売り払われていたディスプレイを購入したり。天井を上げてソファを低くした分、リビングの壁にゆとりが生まれ、自由なレイアウトを楽しんでいます。

リノベでは犬にとっての快適さも大切にしました。ずっとチワワを飼っていて、リノベした頃は2匹いたんです。当時は愛犬用のハウスや階段のステップを作っていただいたのですが、エキップさんはこういう細かいリクエストにも応えてくれて、イメージ通りの形にしてくれました。今のパートナーのもずくはソファが定位置。いつも私にくっついて過ごしています。

ソファは私たちにとってもベストポジションで、夫はよくくつろぎながら昼寝しています(笑)。私はここで編み物をするのが至福の時間。居心地のいいソファで集中して編みつづけていると、何よりもリラックスできるんです。大きな窓から日差しが入るのも気持ちいい。いま編んでいるのは自分用のニット。好きなデザインで作れるのがハンドメイドのいいところです。

リノベでキッチンカウンターを窓側に向けたのも正解でした。料理していると窓から遠くの景色が見えて、一日の変化や季節の移り変わりを味わえます。ここに住んで7年になりますが、“毎日何を見ながら過ごすか”の大切さを実感。私たちにとっては窓からの眺めと、好きな雑貨や植物のある室内が、暮らしの満足度を高めてくれています。